最近のWeb記事には、「専門家による記事監修」がついているものも多くなっています。
主な理由としては、次の3つが考えられます。
- 記事の正確性や信頼性の担保
- SNSを通じての誹謗中傷や炎上対策
- GoogleのSEOを考えてのE-E-A-T(※)強化
※E-E-A-Tとは
「E-E-A-T」とは、Googleの検索品質ガイドラインで定められた評価基準で、以下の4つを略したものです。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
しかしもっとも肝心の「読者からの信頼度は上がっているのか?」と、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回『Biz Hits記事監修サービス』では、全国の男女513人に「専門家による監修があると、記事の信頼度は上がるか」についての独自アンケート調査を実施しました。
その結果、「とても上がる」「やや上がる」と回答した人が合わせて88.1%と、9割近くを占める結果となりました。
専門家による監修があると、記事の信頼性が高まるとわかります。
一方「上がらない」と答えた人からは、「自称専門家が多いと感じる」「専門家が信頼できる人かわからない」といった回答が寄せられました。
記事の信頼性を高めるためには、ただ監修をつければいいというわけではなく、「専門家の実績・知名度」や「専門家についての情報開示」も必要だとわかります。
今回の調査では、上記以外にも「専門家による記事監修があると信頼度が上がるか」や「記事監修がほしい記事のジャンル」といった質問についても回答いただいています。
【調査概要】
- 調査対象:全国の男女
- 調査期間:2024年11月18日~28日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:513人(女性318人/男性195人)
- 回答者の年代:10代 1.4%/20代 13.8%/30代 31.4%/40代 30.6%/50代 16.6%/60代以上 6.2%
【513人に調査】専門家の記事監修があると信頼度が上がる理由
「専門家による記事監修があると信頼度が上がる理由」の圧倒的1位は「正確だと思える(33.3%)」でした。
2位「権威性がある(16.4%)」、3位「記事の品質が高そう(7.2%)」が続きます。
専門家監修が入ることで、記事の質が上がると考えている人が多くなりました。
また「無記名記事だと無責任だが、名前を出して監修していれば責任の所在が明確」「既存記事をつぎはぎしただけの記事ではない、と思える」という声も。
つまり従来のネット記事の品質への不満や疑問から、記事監修に期待している人が多いことも読み取れます。
1位 正確だと思える
- 無知な一般人の意見はあてにはならないですが、研究をしている専門家であれば、より正しい情報をもたらしてくれると思います(20代 男性)
- 専門家が監修していると、間違いないんだなと思う(30代 男性)
- 専門的な知識のある人によって監修されたものであれば、間違ったことを言っていた場合には修正され、正しい知識で書かれると期待できるからです(40代 女性)
1位は「正確だと思える」でした。
専門家による記事監修では、専門家が記事をチェックして間違いや誤解されそうな表現を修正します。
そのため専門家監修が入ることで、正確な記事になると考えている人が多くなっています。
間違った内容や古い内容の記事が溢れている中で、専門家が監修していれば「正確だ」と安心できるのですね。
専門家が監修した記事については、まず正確性を期待している人が多いとわかります。
2位 権威性がある
- 専門家が監修という言葉がつくだけで、信用できそうだと思うから(30代 女性)
- 専門家が写真付きで記事監修していると、お墨付きみたいな感じで信頼できる(40代 女性)
- やはり各分野で確固たる実績をもつ専門家の言葉は、重みがあると思う(50代 男性)
「権威性がある」が2位。
社会的に信頼され影響力もある専門家が監修したことによる、「お墨付きの効果」を重視している人も多くなりました。
専門家が監修しているだけで、「深く考えなくてもなんとなく信用できそうだ」と感じる人も多いとわかります。
専門家自身が社会的に認められている立場にあるからこそ、記事に権威性を与えられます。
3位 記事の品質が高そう
- より具体性を増して深い記事になるから(30代 男性)
- 悩みがきちんと解決しそう(40代 女性)
- 専門家による厳しいチェックがなされていれば、質の高いコンテンツが提供されているだろうと思えるからです(40代 男性)
3位は「記事の品質が高そう」です。
専門家が記事を監修することで、専門家の知識や経験が記事に反映され、記事の品質が高まると考えている人も多くなりました。
専門家「監修」の場合、実際に記事を書いているのはライターで、専門家自身が執筆していないケースも多いです。
しかし監修するだけで記事のレベルが上がると感じる人も多いことがわかります。
実際に監修者の知見を記事に盛り込みたい場合には、「監修者のコメントを掲載する」などの方法が検討されます。
4位 責任の所在がわかる
- 専門家の名前が記載されるため、無責任なことを書けなくなるため(20代 女性)
- 記事の監修をした人は自分の名前を表に出すので、記事の内容に責任をもっていると思うから(40代 女性)
- 記事監修があると、書かれた記事に対して責任の所在がはっきりとします(40代 男性)
4位は「責任の所在がわかる」です。
ライターが作成した記事は無記名であることも多く、読者が「発信者がどこの誰なのか」を特定できません。
しかし記事監修の場合は、一般的に監修した専門家の名前や肩書が掲載され、監修者が記事内容に責任をもつかたちになります。
「責任を負っているのだから、適当なことは言えないだろう」と考え、専門家監修された記事を信用している人も多くなりました。
5位 手間がかかっている
- 適当にやってはいないかなと思います(20代 女性)
- 外部の専門家に監修を依頼していることで、サイト運営者のコンテンツ作成にかける姿勢の真剣さが伝わってきます(40代 男性)
- 監修しているという一文があれば、ちゃんと記事作りをしている感じがする(50代 男性)
5位は「手間がかかっている」です。
ライターが描いた記事をそのまま掲載するのではなく、「専門家による記事監修」というひと手間をかけることで信頼性が高まると考えている人も。
「わざわざ手間をかけているのだから、いい記事なのだろう」と思うのですね。
また記事監修という手間をかけることで、記事そのものだけではなく、サイト運営者の誠実さや姿勢が評価されることもわかりました。
専門家へ記事監修の依頼方法3選
専門家へ記事監修を依頼する方法は次の3つです。
監修者を探す際には、手間やコストに応じておすすめの方法も変わってきます。
ぜひ参考にしてみてください。
専門家の公式サイトやSNSを通じて監修依頼する
1つ目は、専門家の公式サイトやSNSを通じて監修依頼する方法です。
依頼したい人が決まっている場合は監修者名で検索、決まっていない場合は「肩書(資格・免許)+記事監修」のキーワードを組み合わせて検索します。
たとえば「お金に関する記事」の監修者を探す場合、「ファイナンシャルプランナー 記事監修」と検索すると、監修実績一覧を確認できることがあります。
検索結果に出てきたサイトを確認し、希望にあった監修者を見つけたら交渉しましょう。
上記方法は、監修依頼する人が具体的に決まっている場合にはおすすめです。
一方、監修依頼者が具体的に決まっていない場合は、手間と時間がかかるため、あまりおすすめの方法とは言えません。
記事監修者をクラウドソーシングで募集する
2つ目は、記事監修者をクラウドソーシングで募集する方法です。
クラウドソーシングには、専門家やスペシャリストが多数登録しています。
たとえば、大手クラウドソーシングの「クラウドワークス」の仕事を探すページで「弁護士」と検索すると、士業関係の専門家プロフィールがズラリと並びます。
プロフィールをひとつずつ確認して気に入った人がいれば直接交渉をする方法や、プロジェクト形式で実際に監修したい記事に対して監修者を募集する方法などがあります。
記事監修の代行サービスに依頼する
3つ目は記事監修の代行サービスに依頼する方法です。
監修を引き受けてくれる専門家とのやり取りや交渉を代行サービスの担当者がすべて対応してくれます。
たとえば、実際に監修を依頼したい記事の提案や料金の見積もり依頼などを代わりにしてもらえます。
「Biz Hits記事監修サービス」でも、専属のスタッフがあなたの代わりに監修者探しから依頼までをお手伝いします。
監修者を探したり依頼するのが面倒だったり、交渉が苦手な人におすすめの方法です。
また、ニッチなテーマの記事で「どのような専門家に依頼すれば良いのかわからない」といった場合にも向いています。
監修依頼したい記事を担当者に見せると、マッチしていると思われる人を提案してもらえます。
記事監修を依頼する専門家を選ぶ際の注意点
「記事監修を依頼する専門家」を選ぶ際の注意点は以下の5つです。
詳しい理由について解説していくので、参考にしてみてください。
専門家の公式サイトやプロフィールを確認する
専門家の公式サイトやプロフィール情報は、必ず確認しましょう。
一言で「専門家」と言っても、得意分野や経歴、実績はそれぞれ異なります。
専門家に記事監修を依頼する際、「読者が専門家のプロフィールで重視すること」を知りたい方もいるのではないでしょうか。
今回のアンケートで、「記事監修を行う専門家についてどんなことを知りたいか」を聞いたところ、「実績(56.3%)」と答えた人が半数を超えました。
2位「専門分野(41.5%)」も多くの人が挙げています。
- 学歴よりは経験値を知りたい。医師であれば勤務先の病院名以外に、「講演実績」「本を執筆している」などの活動内容(40代 女性)
- 今までの監修実績と、所属する団体の名称。また所属する組織内でのポジション(60代以上 男性)
- 専門分野における実績と、専門メディアなどに出ているかどうか。メディアに出ている人だと安心感と信頼性がある(20代 男性)
- 学歴はあてにならないので、専門分野と保有資格(30代 女性)
- 最近の実績や活動状況など。知識が最新であることも重要なので(30代 女性)
- 実績や「現在何をしておられるのか」が知りたいです。監修ばかりで、表立って何もされていない方だと「名前だけ貸しているのか?」と不安になります(30代 女性)
複数の項目を挙げた人も多くなっていることから、専門家については複数の情報を組み合わせて判断したいと考えている人が多いとわかります。
たとえば「実績と専門分野」「学歴と保有資格」などです。
また学歴や資格を重視する人もいましたが、専門家が実際にどんな活動をしているのか知りたいという人が多くなっています。
活動内容や実績についても、「最近の活動内容」「直近の実績」という声が寄せられており、現時点で積極的に専門分野における活動を行っている人かどうかも重要だとわかりました。
経験に裏打ちされた専門知識を求める人が多いとわかる結果なので、プロフィールを確認する際の参考にしてみてください。
専門家の過去の監修記事を確認する
専門家が過去に監修した記事を確認しましょう。
素晴らしい実績をもつ著名人でも、期待している監修内容とズレる場合があるためです。
よくある例として、「文体や文章スタイルがサイトとマッチしない」というケースがあります。
読者層に合わせて記事自体は読みやすさを意識したポップな書き方をしている一方で、監修者は堅苦しい文面であることから、アンバランスな記事になってしまうなどです。
過去の実績や資格、経歴などはもちろん重要ですが、サイトの監修者としてマッチしているかどうかは、また別問題として考える必要があります。
専門家のSNSへの投稿内容をチェックする
専門家のSNSへの投稿内容をチェックしましょう。
SNS上での発言から「人となり」も見えますし、監修依頼をする際の重要な参考材料なります。
もし、SNSで過激な発言が目立ったり、タイムライン上でフォロワーさんと頻繁に喧嘩をしていたりする場合、監修依頼を考え直すキッカケにもなるでしょう。
またフォロワー数の多い専門家であれば、監修記事をSNSに投稿してもらうことでより多くの人の目に留まるため、バズ狙いの人にはおすすめです。
ただ、多数のフォロワーをもつインフルエンサーの場合、別料金がかかる場合もあるので注意しましょう。
被リンク獲得が目的の場合はリンク掲載ページの確認を行う
監修者に記事監修を依頼する理由として、「被リンク獲得」を考えている人もいるのではないでしょうか。
被リンクが増えることは、SEO面でプラスになると言われています。
実際、「SEO 被リンク」でGoogle検索をすると、有名SEO業者の解説記事が検索結果に多数並んでいます。
監修者のサイトからの被リンク獲得を目的としている場合、実際にリンクが掲載されるページを確認しておきましょう。
なぜなら、以下のような場合はリンクを貼ってもらってもSEO効果が見込めない可能性もあるからです。
- リンク掲載するページに「noindexタグ」が入っている
- リンクタグに「nofollowタグ」が入っている
- noindexは入っていないが、掲載ページがGoogleにインデックスされていない
なかでも「noindexは入っていないが、掲載ページがGoogleにインデックスされていない」というケースは、気づきにくいので注意しましょう。
監修実績を紹介するページの内容がほとんどなく、低品質コンテンツとして認識されているからと考えられます。
上記の理由から、リンク掲載ページがGoogleのURL検索で表示されるかどうは、必ず確認しておきましょう。
監修者の追加要望が納得できない場合は交渉途中でも打ち切る
ごく稀に、監修者との交渉中や依頼後に、追加の要望を受けるケースもあります。
依頼した人が記事監修の仕事を受けるのが初めてだった場合、経験不足から「後になってNG部分に気づいた」といったケースです。
追加の要望に納得できない場合、途中でも打ち切ることをおすすめします。
無理に進めることでトラブルに発展したり、監修完了後に問題が起こって掲載削除になったりしては元も子もありません。
先方にも特に悪意があったわけではないでしょうし、仕方がないと割り切ってお断りすることをおすすめします。
専門家への記事監修の費用相場の一覧表
記事監修者の費用相場は、専門ジャンルや実績に応じて差があります。
参考として、「Biz Hits記事監修サービス」のジャンル別料金設定の一覧表を掲載します。
※すべて税抜価格です。
専門家のジャンル | 料金 |
---|---|
医療(医師) | 35,000円 |
法律 | 35,000円 |
金融 | 35,000円 |
不動産 | 25,000円 |
美容 | 25,000円 |
人事 | 25,000円 |
教育 | 25,000円 |
その他 | 20,000円 |
医師や士業、金融関係など、専門家になること自体が難しかったり、読者の悩みが大きいジャンルほど金額が高い傾向にあります。
ただし、専門家の実績の多さや知名度の高さによって、上記の相場を大きく上回る監修費用がかかるケースも。
監修にかけられる予算が決まっている場合、記事監修代行サービスの担当者であれば、先に予算を伝えたうえで監修可能な方を探してくれます。
513人が選ぶ!専門家の記事監修が必要だと思うジャンル
「専門家の監修が必要だと思うジャンル」を聞いたところ、「医療(72.3%)」が飛びぬけてトップになりました。
- 医療、食事などの生命に関わる記事は必須だと思います(40代 男性)
- 医療、法律。医療については、時と共に変わっていくから。法律については、最新の事例があると思うから(50代 女性)
- 医療、美容医療、健康に関して。でたらめな記事が多いと感じているため(30代 女性)
- 流行のダイエットで体調を崩すようなことも聞くので、ボディメイク関連も専門家の意見が入っていると安心します(20代 女性)
- 医療、金融、サプリなどちょっとまがい物かどうかぱっと一瞥しただけでは判断しづらい領域です(30代 男性)
- 医療および健康関係、科学技術関連で必要だと感じます。「エセ医療」や「エセ科学」のために、適切な医療措置が妨害されてしまったり、真っ当な科学研究およびその成果が浸透しない場合があるから(20代 男性)
医療をはじめ、健康やダイエットなど、身体や命に関わる分野については、専門家監修が重要だと考えている人が多くなっています。
また「法律」「マネー」については、間違った知識を取り入れることで大きな金銭的損失や社会的な不利益を被ることも。
リスクを減らすために正確な記事を読みたい人が多いのでしょう。
「間違った情報によるリスクが大きい分野」については、専門家を求める人が多いとわかりました。
専門家の記事監修に関する調査総括と南 保志氏のコメント
専門家による記事監修の調査総括として、特に健康や財産に関する分野で、読者からの信頼を獲得するために有効な手段であることがわかりました。
ただしアンケート回答からわかるように、専門家監修をつけても、専門家個人に対して「信頼に値しない」という評価をされてしまうことがあります。
上記のような場合には、権威性が高まらず、専門家監修をつけたことによるメリットが少なくなってしまうと危惧されます。
専門家個人に対する信頼性を高めるためには、読者のニーズに応えるかたちで、専門家の情報をできるだけ多く開示することが大切だと言えるでしょう。
最後に当記事の監修者、クチコミコンサルタントの南保志氏からの総括コメントを紹介しているので、参考にしてみてください。
■南 保志氏の総括コメント
今回のアンケートでもわかるように、ユーザーから見た監修記事への信頼は非常に厚くなっています。
特に、AI時代には誤った情報が流布してしまう可能性については専門家の間でも危惧されており、専門家による記事チェックはさらに重要視されていくものと思われます。
同時に、監修記事が粗製濫造されつつあるのも事実。
見せかけだけのマーケティングではなく、ユーザーに信頼できる情報を届けたいというメディア側の姿勢が今後問われるでしょう。
■監修者プロフィール
南 保志氏
クチコミコンサルタント
数多くの報道機関・国立研究機関にもデータ提供を行なう本音の口コミサイトみん評および株式会社マイスタースタジオ創業メンバーの一人。
10年以上にわたって口コミを分析した知見を生かし、100社以上の顧客満足度の改善アドバイスおよびその広報支援を行なう。